大学ブランド研究「早慶」
大学ブランド研究・早稲田 & 慶應 .
何かと比較されることの多い早稲田と慶應。大学の国際比較が当たり前になり政府も大学入試改革に力を入れる中、それぞれが持つ早慶のイメージは変わりつつあるそうです。ホントでしょうか。( 日経トレンディ 2021年8月号 )
早慶は今、大学受験では別格扱いですよね。でも、ここを象徴的に見てみたら、いわゆる MARCH はじめ私大の傾向の一助になりますよね? と思ったので本誌を購入してみました。
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約1500人に独自アンケートをした様々な統計が載っています。そこでまず分かったのは、早慶出身者の愛校心は共に高く「子供を母校に入れたい」という比率も共に80%弱で、早慶以外の国公立大学・私立大学はそれより俄然低いのだとか。早稲田出身者は「有意義な課外活動ができた」と回答、慶應は「有意義な勉強ができた」と答える人が多かったが国公立大学出身者の 77.8% よりは低めだったそうです。また満足した点について問うと「研究会(ゼミ)の質」や「授業・カリキュラムの質」を挙げる人が多かったとか。
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いわゆる " 学閥 " .
さて、社会人になってからの大学の恩恵について、慶応の卒業生は 58% が三田会からのいい影響・人生で役立ったことがあると回答。早稲田の卒業生( 稲門会 )は 37.7% で、国公立大学出身者の 23.6% 、その他私立大学出身者 21.6% よりはかなり高いことが分かったそうです。やっぱり多かれ少なかれ、学閥・卒業生組織って大切なんですよね。
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<早稲田・稲門会の恩恵例>
北京駐在時に、現地で社外の仲間をつくれたほか、日本に帰任してからも、お互いの仕事に関する相談や情報交換ができている。
(50~54歳、法学部卒)
会社の中での稲土会。同期の水平な集まり、各組織での垂直な集まりと違い、部門を超えての斜めの集まりがあることにより、有意義な情報が得られる。(65~69歳、理工学部卒)
サークルの稲門会であるが、恩師を囲む会や、現役学生の支援、OB・OG団体の活動などに参加することができる。(55~59歳、第一文学部卒)
<慶応・三田会の恩恵例>
三田会は、「職域ギルド」+「異業種交流会」のような組織であり、正直なところ、外部ではとても話せないような内容の情報交換が行われている。(40~44歳、法学部卒)
年次三田会で幹事役の端くれとして活動する中で、数多くの友人ができ、60歳を過ぎた今でも頻繁に集まって懇親会で語らったり、野球やラグビーを観戦したり、旅行に出掛けたりして充実した生活を楽しんでいる。(60~64歳、理工学部卒)
息子が付属高校から慶応義塾大学へ進学し、保護者会で「保護者も三田会の一員」と言われ、出身大学などを問わずに懇意にさせていただいている。ビジネスに限らず、色々な情報を得る場となっている。(50~54歳、海外の大学・大学院卒)
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ところで、早稲田の看板学部・政経は 2021年 に入試を刷新しました。これらの改革は 2018年までに 20年をかけて徐々に進められており、まず最初に変えたのは教員人事だったそうです。実は専任教員は早稲田大学出身者からの採用から決別し国際公募を積極的に展開、海外で学位を取った優秀な人材が集まるようになったそうで、現在はおよそ半数の教員が海外有力大学の学位を持つ構成になったらしいです。大学の経営改革は教員から、なんですね、いいことだ。やっぱり社会人からしてみたら素晴らしい教員に学んだ学生が後輩になるのは申し分ありませんものね。だいたい、大学名だけひけらかしてもただ遊んできただけでしょ?って言う若者、多すぎですもんねー。
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一方、慶應はSFC(湘南藤沢キャンパス)が相変わらず象徴の役割を果たしていて、なお医学部・看護学部・薬学部もやはり根強い人気だそうです。SFCの2学部( 総合政策学部・環境情報学部 )は塾内での評判は低めと言われますが今後の IT や DX などの要になりそうな人材を輩出しそうだと OB・OG からの期待も高いらしいです。 ま、口ばっかり達者な人材じゃなければ尚ヨシですけどね。泥臭く現場を打開しようとする若者、少ないですからね。 あ、脱線しますがそういえば、慶應のダンスサークルには EXILE の 岩田剛典(元部長)が所属していたんですよね! あ、嵐の櫻井翔も慶應でしたね。
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ダブル合格者はどちらを選択? .
記事で一番興味深かったのは、早稲田・慶應の9学部で、それぞれどちらも合格した人たちは結果どっちを選んだのかというもの。2020年まではどちらかというと慶應を選ぶ人が多めだったようですが、2021年からは6学部が早稲田に軍配。どうやら就職に直結した理由のようですが詳しくは本誌をご覧いただいた方がいいかなと思います。ちょっぴり、あのナガセに取材してるようですから。
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AO入試は総合型選抜入試に .
今年からAO入試は総合型選抜入試とされ、推薦入試は学校推薦型選抜入試と改められます。文部科学省は、小論文やプレゼン・口頭試験などの共通テストでの必修化を求めているとのこと。AO入試が求める人物像として慶應大学は、「 大学入試以前に人生を賭けて挑むに値する目標を発見しそれに向けて努力を積み重ね既に実績がある人 」。高校でリサーチやプレゼンに重きを置く探求型授業に取り組んでいる人はアドバンテージ有りみたいですよ。 高校の学校説明会で( 普通科でなく )理数科ではそんな授業があるから「 大学行ってから役立ったワ 」というOBインタビューを聞いたことがありましたが、へえ!ですょ。一般入試もさらに厳しくなる中、総合選抜型入試もかなり大変になりそうですね。覚えておいて損はなさそうな傾向でした。
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共通テストでも問題の英語力 .
今回から新しく導入された大学共通テストでは、英語の外部検定を取り込むのか取り込まないのか、大学により可否いろいろあって話題になり混乱しましたが、やっぱり英語力というのがキーポイントになっていくことは間違いなさそうですね。早稲田は政経でも単語数が5000近くに、慶應の法学部でも4000近くに増やされて長文が多くなり、スピーディーに大意を掴む実用的な英語力を求めていくんだそうです。ですよねー、としか言いようがないですね、頑張ってもらいましょう。
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さあさて、この雑誌。 家庭に置いといたら高校生は読むんでしょうか? 高校受験に向かう中学生は? 親となら一緒に斜め読み出来るかな? どうかなぁ。。。せめてポイントだなあ、と思うところにラインを引いて置いておこうと思います。
しかし、随分とパラパラめくっていますが本誌編集の意向がよく分からない内容になってる気がしました。そりゃわざとですよね、くっきりふたつに分けて明確に比較したら、分かりやすすぎて大変なことになるんでしょうから。(笑)
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